創業二百年以上の伝統
「米と水と気候と技術を生かした、品質の高い清酒を造り続ける」を理念にしております。
創業より二百有余年。酒造りには変わらない思いを持ち続け、地元の良質な米と水、酒造りに適した気候、そして歴史を重んじながらも進化し続ける越後杜氏の技術から生まれる清酒。
良質で芳醇、とてもまろやかな口当たりの新潟清酒です。
おいしいお酒は、お米や水など素材選びから始まります。
王紋酒造では、至高の素材と新潟の気候と長年培った技術を組み合わせ、
最高の味を追求しています。
原料米には主に新潟県産の五百万石を使用。新潟淡麗に代表される酒質に適した、新潟県の代表的な酒造好適米です。また、近年では新潟生まれの新しい酒造好適米、越淡麗(こしたんれい)を使用した高級酒も醸しております。
北越後を流れる加治川を水源にとり、新潟特有の素晴らしい軟水を使用しております。この軟水を使い醸造することにより、ゆっくりと醸された良質の清酒ができあがります。
日本酒造りには技術は欠かせません。王紋酒造では杜氏の田中毅を含め、全ての酒造従業員・蔵人が酒造技能士検定1級を取得しており、醸しだす日本酒を最大限美味しく提供できる様、日々精進しております。
また、これら造りに係わるものたちは、地元新潟の阿賀北地区出身。地元の米を、地元の人間が使って仕込む本当の地酒です。特有の素晴らしい軟水を使用しております。この軟水を使い醸造することにより、ゆっくりと醸された良質の清酒ができあがります。
越後平野は国内でも代表的な米の主産地です。王紋酒造はその北部に位置し、飯豊山系から流れでる軟水の加治川水系を源泉に酒を仕込みます。
また、酒造りが行われる冬季は、適度な降雪地帯として綺麗な空気や醸造に適した寒冷な温度が、低温長期発酵の酒造りに最適な環境です。
清酒造りの際には、仕込み水をはじめ、いろいろな工程でたくさんの水を使用します。清酒の80%は水。つまりは水の良し悪しがそのまま酒の良し悪しにつながります。
精米した米を洗い、糠(ぬか)を取る工程を洗米と言います。通常、ご飯を炊く際に米を研ぐのと同じく、ここで米の糠や汚れを取らないとおいしい日本酒を造れません。
洗米した後には、米を水に浸す浸漬(しんせき)という工程を行います。ここで、適量の水分を吸収させます。水切りは文字通り、この適量外の水を切る(取り除く)工程です。
水分を含ませた米を蒸していきます。蒸す際に使用するのは、甑(こしき)と呼ばれる大きなせいろや、蒸米機。酒米を蒸すことによって、米のでんぷん質が変化します。
蒸した米は、麹(こうじ)造り、酒母造り、掛米(もろみ造り)用と、それぞれに応じた異なる温度に冷まします。この際、自然冷却する場合と機械を使用する場合があります。
蒸した米を、日本酒の元となる麹にする工程。麹菌を米に付着させ、米の中で麹菌を繁殖させます。日本酒の味や質を大きく決定づけるほど重要な工程です。
酒の酛、酒母を造ります。酒母とは、アルコール発酵を促す酵母を大量に増殖させたものです。麹と水を混ぜ合わせたものに、酵母と乳酸菌、さらに蒸米を加えて造ります。
酒の仕込みは段階的に行います。三段仕込みと呼ばれる仕込みが一般的に多く行われており、添仕込みは、第1段目の仕込み。この工程でしっかりとしたもろみを育成します。
添桶の中で酵母を多く繁殖させた後に行うのが中仕込みです。ここからが本格的な発酵へと移ります。添に麹と水、掛け米を加え、大きな発酵タンクで仕込んでいきます。
中に、麹、水、掛け米を加え、最終発酵させます。留めを行ってから2、3日程すると泡が上ってきます。ここからは温度管理との戦い。おいしい日本酒を造る最終段階です。
発酵が終わったら、もろみをしぼり、日本酒と酒かすに分けます。銘柄、規格などによってこのしぼりのタイミングは異なり、日本酒の味を決めるうえで非常に重要となります。
しぼった日本酒に行う加熱処理を火当て(火入れ)と言います。この加熱処理することによって、日本酒自体が殺菌され、日本酒の腐敗を防ぐという効果もあります。
やっぱり麹造りは難しい。
気が抜けない。
「甘み」「やわらかさ」を大事にした酒 王紋酒造 杜氏 田中 毅
母の実家が酒屋ということもあり、もともと王紋酒造とはご縁がありまして、高校卒業後すぐに入社させてもらったのが昭和61年。同年の7月からは新潟清酒学校へ入学して造りの基本を学び、ずっと酒造り一本。今の職、杜氏は平成15年から勤めさせていただいています。
私が入社した時の曽田前々杜氏が、今の王紋酒造の酒のベース造られたと思っています。その時からうちの酒は「甘み」「やわらかさ」を大事にした酒を醸すことを念頭に置いています。日本で初めての女性一級酒造技能士のいる蔵として注目されていましたからね。その女性というイメージが酒にも反映されたのかもしれませんね。
基本に忠実に、自然とともに醸し続ける
杜氏になってから3年目に全国新酒鑑評会で入賞。その後、4年目からは金賞を5年連続でいただきました。この経験が非常に、今の王紋の酒に大きく反映されていると思います。というのも、他の蔵の先輩杜氏さんからも声を掛けていただくことが増え、酒の相談をできるプロの人たちが私の周りに増えました。そして、いろいろな蔵元を自分の目で見る機会も増えました。そうすると、今までとは異なる情報が入ってくるんです。で、考えていくと、やっぱり麹造りが一番大事だなと、日本酒造りの原点に立ち返ってきました。
日本酒造りを表す言葉に「一麹、二もと、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」というものがあります。日本酒造りにおける重要な工程を表した言葉です。いろいろな方々を見て、聞いて、実感したのは、基本に忠実に、自然とともに醸すことがいかに重要かということですね。