2021.11.06
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先回は麹づくりをご紹介しました。今回はその後の工程をご紹介します。
麹米は製麴機の中で24時間ほどねかせられて麹菌がしっかりと米に根付きました。
この麹米はまだ熱を持っているので麹米を冷やして麹菌の働きをとめます。
麹を冷やしながら乾燥させるこの機械、実はなかなかのレアものです(蔵人談)。
冷やされた麹米は酒母タンクに入れられ、乳酸や酵母、掛米と混ぜ合わされて酒母となります。
この酒母づくり、掛米(蒸した米)を溶かすように混ぜるので見た目以上に全身を使う、体力のいる作業なんです。
酒母はこのままタンクで約10日間熟成させ、大きいタンクに移します。
そして
① 大きいタンクには酒母の他、蒸米、麹米、水を入れます。これを「初添え(はつぞえ)」と言い
ます。
② そして少しの間、酵母の繁殖を待ちます。これを「踊り」と言います。
③ その数日後、タンクの中の量がこれまでの2倍程度になるように、蒸米・麹米・水を加えてい
きます。これを「仲添え(なかぞえ)」と言います。
④ 翌日、残りの蒸米・麹米・水をすべてタンクに入れます。これを「留添え(とめぞえ)」といい
ます。
この「初添え」「中添え」「留添え」の3工程で仕込むことを「三段仕込み」といい、日本酒づくりでは一般的な手法です。そして留添えの日から数えて約3週間~1か月かけてアルコール発酵が進み日本酒ができあがります。
その他に「四段仕込み」というお酒をご覧になったことがあると思います。これは
「三段仕込み」が終わった後に、蒸米などを加える方法です。キレの良い味の日本酒にするために醸造用アルコールを加えますが、その時に味のバランスをとるために蒸米を加えます。三段仕込み + 1回の投入なので「四段仕込み」となります。
日本酒の仕込みには様々な方法がありますが、どの方法も美味しい日本酒を安定的に造るために考えられたもので、日本酒としての良し悪しを決めるものではありません。
わたしたち市島酒造のお酒は純米酒が「三段仕込み」、普通酒の「王紋」、「王紋辛口」、「市島 本醸造」が「四段仕込み」です。
今回の仕込みは10月の中旬~下旬にかけてでした。11月下旬から12月上旬にはお店に並ぶことと思います。お酒が一層おいしくなる季節…そのお酒それぞれの味をぜひお楽しみください。
ところで、今年私たち市島酒造のお酒が日本だけでなく、海外のコンクールでも非常に高い評価をいただきました。
また、11月4日に発表された「第92回関東信越国税局酒類鑑評会」の「純米吟醸酒の部」において、「純米大吟醸酒 王紋 翠」が「優秀賞」を受賞いたしました。
これも常日頃より私たちを応援してくださっている皆様のおかげと感謝しております。本当にありがとうございます。これからも皆様に上質で美味しいお酒をお届けできるよう頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
※受賞酒は「市島酒造オンラインストア」でご覧いただけます。
市島酒造オンラインストア「コンクール受賞酒」のページ
コンクール受賞酒 | 市島酒造 ONLINE STORE (ichishima-shuzo.shop)
日本で、そして世界で認められたお酒をぜひご堪能ください。